SES歴10年のテスターが語るQAエンジニアへの転職方法を徹底解説!

  • テスト実行ばかりで、エンジニアとしてのスキルが身についている実感がない
  • 現場を真面目に支えているのに、年収300万円前後で頭打ちになっている
  • 「このままテスターで終わるのか?」と、将来に対する漠然とした不安を抱えている

私は現在、第三者検証企業でQAエンジニアとして働いていますが、それまではSES2社で10年間、キャリアの壁にぶつかり続けた「万年テスター」でした。

私は人より多くSESで時間を費やしてしまいました。しかし、その10年間の試行錯誤があったからこそ、テスターとしての経験をどのようにQAエンジニアとして評価される価値へ変換すれば転職を成功させられるのか、という明確な答えにたどり着くことができました。

この記事では一生モノの専門性を手にすることを重視し、今のテスト経験を確かなキャリアの土台へと昇華させ、将来の市場価値を最大化するための「完全ロードマップ」を徹底解説します。

あなたの今の経験は決して無駄ではありません。それどころかQAエンジニアとして確かな実績を積むための武器になります。この記事を読み終える頃には停滞していたキャリアを動かし、理想の未来へ繋げるための具体的な道筋が見えているはずです。

かいと

この記事ではテスター経験を活かしたQAエンジニアへの転職方法を解説していきます。

目次

QAエンジニアとは「製品の品質を保証する」エンジニアである。

QA(Quality Assurance)エンジニアは、ソフトウェアやシステムの品質を継続的に保証するエンジニアです。

QAエンジニアについて、テスト設計やテストを管理するポジションと思う人がいるかもしれませんが、テストはあくまで品質を保証する手段の1つであり、QAエンジニアはテストを含めた活動を通し、製品の品質を保証・改善することが仕事となります。

SESテスターとQAエンジニアの違い

SESテスターとQAエンジニアは、仕事面で次のような違いがあります。

SESテスターの主な仕事QAエンジニアの主な仕事
テストデータの準備品質目標の定義
テスト実行要件、開発ドキュメントのQAレビュー
不具合報告と起票テスト活動全般
(テスト計画〜実行)
テスト項目書の作成テストベンダー管理
自動テスト作成、運用保守
不具合情報を開発チームにフィードバック
CI/CDの構築
テストプロセス、開発プロセスの改善

テスターはシステムやアプリを操作し、動作に問題がないかを確認することや不具合を見つけることが仕事で、テストを行うための項目書作成やテスト環境・データの準備も仕事に含まれます。

SESテスターの案件ではテストの準備や実行が中心で、テスト計画やテスト設計をチャレンジしようにも現場ガチャの要素が強く、そもそも任せてくれない案件も多いです。

かいと

テスター案件を積み重ねても、キャリアの幅は広がりにくいです。

一方、QAエンジニアはテストだけでなく、テスト以外の活動と合わせてソフトウェアやシステムの品質を保証・改善することが仕事となります。QAエンジニアの仕事は多岐にわたりますが、上の表で列挙した仕事はあくまで一例であり、どこまでカバーするかは所属する企業やクライアントの依頼次第です。

QAエンジニア未経験だとテスト実行から始まりますが、次第にテスト設計やテスト計画といったテスト工程上流の仕事を任され始め、ゆくゆくはテスト自動化やチームマネジメントといった自分が目指すキャリアを描いていくようになります。

かいと

自分の武器を見つけ、それを磨いていくのがポイントです。

求人先は大きく3つある。

QAエンジニアを募集している企業は大きく分けて3つあります。それぞれ求められる経験やスキルが異なるため、自分が持つ経験からどの企業を狙っていくべきかのポイントと合わせて紹介します

第三者検証企業事業会社テストチーム型SES
業務内容・テスト工程全般
・自動化や品質コンサル案件も有
自社製品の品質保証に関わる活動全般テスト実行中心
入社難易度普通難しい比較的簡単
待遇普通条件によって高待遇伸びにくい
教育制度充実OJT中心現場依存

第三者検証企業(テストベンダー)

私はSESテスターが目指すべき転職先として「第三者検証企業」をおすすめしています。

第三者検証企業とは、開発チームとは異なる中立的な立場からソフトウェアの品質を評価・保証する専門企業です。

仕事の受注先は主に大手SIerや事業会社からのプライム案件(直請け)です。業務はテスト実行に留まらず、テスト計画やテスト設計、実行後の完了報告までテスト工程全般を担当します。

案件によってはテスト自動化や品質改善のコンサルティングを担い、テスト上流工程から顧客の品質全般を支援する役割です。

SESテスターが現場の指示に従って作業するのに対し、第三者検証企業は検証サービスの提供を組織として行います。個人の労働力ではなく、蓄積されたノウハウや手法を用いてチーム単位で品質の成果を出す点が最大の違いです。

取り扱う案件に関して各社で特色があり、スマホアプリやゲーム検証に強い企業、金融などの大規模基幹システムに特化した企業、あるいはテスト自動化やセキュリティ診断に特化したチームを保有する企業など、得意とするドメイン(領域)が分かれています。

大手の第三者検証企業の場合、開発微経験者やテスター経験のあるエンジニアを積極的に採用し、自社内で保有するノウハウを活用した研修によってQAエンジニアを育成する仕組みが整っています。

かいと

テスター経験者への間口も広く、テスト工程全般を経験できるからオススメです!

事業会社

事業会社のQAエンジニアはプロダクトの当事者として、サービスの価値を最大化するために品質全般をリードする役割を担います。

第三者検証企業が客観的な評価を切り出して受託するのに対し、事業会社のQAは開発チームの一員もしくはQAチームとして深く入り込みます。単にバグを見つけるだけでなく、長期的な保守性やユーザー体験(UX)の向上を目的とし、スピード感のあるアジャイル開発の中で柔軟に動く点が特徴です。

テストの知識だけではなく自動化コードを書くためのプログラミング能力、プロダクトの成長段階に合わせてどこを重点的にテストすべきか判断する戦略立案や、不具合を未然に防ぐための開発の進め方そのものの改善に関する知識が重視されます。また、エンジニアやデザイナーと対等に議論し、組織全体に品質文化を浸透させる高いコミュニケーション能力も不可欠です。

求人に関して、募集要項に全テスト工程経験者や開発経験のいずれかを必須としている企業が多く、ポテンシャル採用もゼロではありませんが、即戦力前提で競合が多いことからテスター経験しかない人はややハードルが高めです。

私も転職活動の際に自社開発企業のQAエンジニア求人に7,8社応募しましたが、募集要項を満たせず書類選考で落ちるのが大半でした。そのため、自社開発企業のQAエンジニアを応募するなら入念な準備が行ったとしても、面接すら臨めないことを覚悟した上で応募する必要があります。

かいと

事業会社志望の経験豊富なQAエンジニアと競合しやすく不利な戦いになりがちです。

テストチーム型SES

仕事はエンドユーザーから直接ではなく、大手SIerやテストベンダーからテスト工程の外注として受注する案件が多いです。業務内容はテスト計画などの上流工程よりも、定義されたテストケースに沿った実行・進捗管理・不具合報告が中心です。

単なる個人派遣ではなく自社のリーダー1名+メンバー数名のチーム単位で客先常駐し、現場の負荷を肩代わりする形態が一般的です。

若手の育成枠としてテスト案件を確保する企業が多く、未経験者がチームで動くことで知見を補い合うモデルが主流です。特定の検証ノウハウをチームとして蓄積し、検証に強い下請けとして1次請け企業と長年の信頼関係を築いている企業もあります。

かいと

下請け構造から抜け出せないのが難点ですが、その会社に惹かれる点があれば応募してみるのも得策です。

第三者検証企業へ転職するおすすめな理由【3つ】

私がSESテスターに第三者検証企業をおすすめする理由は次の3つです。

  • SESでのテスター経験を活かせる
  • 単価による給与変動に悩まされなくなる
  • 若い内に軌道修正したほうが今後のキャリアの可能性が広がる

SESでのテスター経験を活かせる

SESのテスターがQAエンジニアに転職することは、本来実務でしか得られないテスト実行経験を最初から持っている状態でレベルアップしやすい点が大きなメリットになります。

「テスト実行しか経験がない」と不安に思うかもしれませんが、SESテスターが持つ実務でのテスト実行経験こそQAエンジニアに転職する上での必要不可欠な土台です。

多くの未経験者が「テストとは何か?」という概念から学ぶのに対し、あなたは既に不具合の起票方法や進捗報告の流れを肌で知っています。転職先から見れば現場の空気を知っている人は安心感があり、テスト未経験者と比較して評価されやすいです。

テスト実行以外の経験がないことに不安を感じるかもしれませんが、多くの第三者検証企業では充実した研修制度が整っています。私自身も今の会社に入社後、数週間で体系的なテスト設計手法を学び、学んだ内容を活かしてスムーズに実務へ入れました。

SESでのテスト経験を足がかりにした上で、少しずつ品質保証に関するスキルと経験を積み上げ、一歩ずつ専門性を広げていけるのがQAエンジニアの良さです。

かいと

今までの業務経験をベースに、新たなスキルを学んで専門性を深堀りしていけるメリットがあります。

単価による給与変動に悩まされなくなる

SESテスターは客先との単価に給与が直結しがちです。特にテスト実行工程は市場相場が低く、どれだけ真面目に働いても労働力としての評価に留まるため、給与の頭打ちや待機時の給与減のリスクが常に付きまといます。

これに対し、QAエンジニアは品質の専門家として評価されます。第三者検証企業では単なる人員貸しではなく、テスト戦略や自動化といった付加価値の高い人材を組織として提供するため、テスター時代を上回る給与レンジが設定されやすいです。事業会社であればそもそも案件単価という概念自体がなく、プロダクトの成長への貢献度に基づいた評価と評価に見合った給与が望めます。

専門性を武器にテスト要員ではなくその人の価値で評価される側へ回ることで、単価の上下におびえない安定したキャリアを実現できます。

かいと

低単価や待機による給与の上下に悩まされず、日々の業務に集中して取り組むことができます。

若い内に軌道修正した方が今後のキャリアの可能性が広がる

SESテスターが早いうちにQAエンジニアを目指すべき理由は、「市場価値の低迷によるキャリアの行き詰まり」を未然に防ぐためです。

テスト実行を主とするSESの現場では、年齢を重ねても代わりのきく労働力として扱われやすく、30代後半以降に案件の選択肢が狭まるリスクがあります。一方、QAエンジニアはテスト工程全般を担当するだけでなく、テスト自動化や品質改善の提案といった専門スキルを武器にする職種です。

20代や30代前半のうちにこの領域へ軌道修正しておけば、ポテンシャルを評価されやすく高度なスキルの習得時間も十分に確保できます。その後、専門性を深堀りしたポジションへシフトすることや、高年収な事業会社のQAエンジニアへ転職など選択肢が劇的に広がります。ただテストを回すだけの状態を早く脱し、専門性を身につけることが将来の安定と高待遇を支える確かな土台となります。

かいと

5年後、10年後のキャリアで詰まないためにQAエンジニアへステップアップしよう。

QAエンジニアの適性を示す5つの特徴

QAエンジニア適性を示す5つの特徴を紹介します。

  • 細かな違和感に気づける人
  • 他者貢献精神が強い人
  • 忍耐強さがある人
  • 文章や言葉で何かを伝えるのが得意な人
  • 探究心が強い人

細かな違和感にきづける人

QAエンジニアにとって最も基本的かつ強力な武器は観察力です。テスト項目書に書かれた結果だけでなく、操作中に感じるほんのわずかな違和感を見逃さない力が求められます。

例えば、「ボタンを押した瞬間に一瞬だけ画面が変な動きをした」「何度も操作していると、さっきより少しだけ反応が遅くなった気がする」といった、仕様書やマニュアルにはない手触りの悪さです。こうした小さな気づきの裏には、実はアプリが突然動かなくなるといった重大なトラブルの原因が隠れていることが少なくありません。

毎日同じテストを繰り返す中で、いつもと何かが違うと敏感に察知できる人は単なる作業者ではなく、製品の危機を未然に防ぐ「品質の守護神」になれる高い素質を持っています。

他者貢献精神が強い人

QAエンジニアの仕事の本質は、プロダクトの成功を通じてユーザーやチームを支えることにあります。単にバグを指摘するのが仕事ではなく、「どうすればユーザーが迷わず使えるか」「開発チームが安心してリリースできるか」という視点が欠かせません。

自分がバグを見つけることでリリース後のトラブルを防ぎ、チームの信頼を守るという他者貢献の意識が強い人は、QAエンジニアに非常に向いています。誰かの役に立ちたい、製品をもっと良くしたいというホスピタリティこそが、徹底した品質確認を支える大きなモチベーションとなり、結果として周囲から深く信頼される存在へと成長させてくれます。

忍耐強さがある人

ソフトウェアテストの現場では地道な作業の積み重ねが不可欠です。複雑な条件下での再現テストや、修正後の広範囲にわたるテストなど、時には単調に感じられる作業を一切妥協せずに正確にやり遂げる忍耐強さが求められます。

特になかなか再現しない不具合の原因を特定するために、何度も条件を変えて検証を繰り返す粘り強さはQAエンジニアとしてのプロ意識そのものです。SESの現場でルーチンワークを正確にこなしてきた経験は、この「品質に対する誠実さ」の土台となります。派手な技術力以上に最後までやり遂げる力がある人は、現場で最も重宝される存在になります。

文章や言葉で何かを伝えるのが得意な人

QAエンジニアは発見した不具合を開発者に伝え、修正を促す架け橋のような役割を担います。不具合の発生手順を誰が読んでも再現できるように論理的かつ簡潔にまとめたり、角が立たないように配慮しつつもリスクの重大性を正確に伝えるコミュニケーション力が非常に重要です。

口頭での説明だけでなく、チャットツールやチケット管理システムでのテキストコミュニケーションが主となるため、言葉の定義を曖昧にせず、事実ベースで情報を整理して伝えるのが得意な人は即戦力として活躍できます。相手の立場を思いやりつつ、客観的な事実を伝えるスキルはQAの専門性を支える重要なスキルの一つです。

探究心が強い人

「なぜこのバグは起きたのか?」という裏側の仕組みに興味を持てる人は、QAエンジニアとして飛躍的に成長します。表面的な不具合を見つけるだけでなく、仕様の背景やソースコードの構造、データベースの挙動にまで思考を巡らせる探究心があれば、より本質的な改善提案ができるようになります。

最新のテスト自動化ツールや品質保証の手法は日々進化しており、常に新しい知識を吸収しようとする姿勢が市場価値を高めます。SESテスターとしての毎日に「もっと効率的な方法はないか」「このシステムはどう動いているのか」という疑問を抱いているなら、その好奇心こそがQAエンジニアへ転身するための最大のエンジンになります。

QAエンジニアはソフトスキル寄りでも価値を出せる

QAエンジニアは、技術力と同様にコミュニケーションや論理的思考といったソフトスキルが大きな武器になる職種です。日々の業務で培った視点を専門的な価値へと繋げるための5つのポイントを解説します。

  • テスト技術
  • ドキュメンテーション能力
  • スケジューリング能力
  • コミュニケーション能力
  • プログラミング

テスト技術

テスト技術とは単にツールを動かす力ではなく、仕様の裏に潜むリスクを予見する思考のフレームワークです。JSTQBなどの知識をベースに、どこに、どのようなテストを配置すべきかを論理的に組み立てる設計力は、コードを書く技術とは別の専門スキルです。

たとえ高度なプログラミングができなくても、仕様書の矛盾を見抜く洞察力や、実際のユーザーの動きを想像する力があれば、開発者とは異なる視点を持つ品質の番人としてプロジェクト内で唯一無二の価値を発揮できます。

ドキュメンテーション能力

QAエンジニアの成果物はプログラムではなく言葉です。誰が読んでも再現できる不具合報告書や、曖昧さを排除したテスト計画書は開発チーム全体の迷いを消し去り、手戻りを最小限に抑えます。

複雑な事象を整理し、論理的で分かりやすい文章を書ける能力は開発効率を劇的に高める立派なエンジニアリングの一部です。この伝える力を磨くことで、あなたはチームを正しい方向へ導く羅針盤として評価されるようになります。

スケジューリング能力

限られた納期の中でどの機能を優先して守るべきかを判断する力は、プロジェクト管理における重要なソフトスキルです。開発の遅延を予測し、リスクの高い箇所から重点的に検証するリソース配分は製品リリースの成否を左右します。

全てのテスト項目を闇雲にこなすのではなく、ビジネスの状況に合わせて品質と時間のバランスを最適化できる調整力があれば、単なる作業員ではなくプロジェクトを成功へ導くリーダーとして重宝されます。

コミュニケーション能力

QAにおけるコミュニケーションの本質は、開発者やステークホルダーとの合意形成にあります。不具合を指摘する際に相手を否定せず、共にプロダクトを良くするパートナーとして信頼を築ける力は、現場の士気を高めつつ品質を改善するための最強の武器です。

エンジニアと対等に議論し品質の重要性を共有して納得してもらう力があれば、チーム全体の意思決定をスムーズにし、プロジェクト全体の成功率を底上げすることに大きく貢献できます。

プログラミング

QAエンジニアにとってのプログラミングはアプリを作るためのものではなく、システムの構造を理解し、効率化するための道具です。 コードを完璧に書く必要はありません。

開発者が書いたコードの意図を汲み取り、技術的な懸念点を会話できるレベルの知識があれば、ソフトスキルを活かした技術に強いQAとして立ち回れます。技術をツールとして使いこなす視点さえあれば、過度に専門性を恐れることなく、自身の価値を最大化することが可能です。

QAエンジニアのキャリア設計

SESのテスト実行業務に従事する方々にとって、QAエンジニアへの転職は将来の選択肢を大きく広げる重要なステップです。QAエンジニアの領域には単なるテスト実施に留まらず、技術の深掘りや組織管理、専門的なコンサルティングなど、個人の志向に合わせた多様なキャリアパスを5つ紹介します。

  • シニアQAエンジニア
  • QAマネージャー
  • QAコンサルタント
  • テスト自動化エンジニア
  • フリーランス
かいと

QAエンジニアの経験を積み重ねることで次第に極めたい方向が見えてきます。

シニアQAエンジニア

シニアQAエンジニアは、テストの現場における頼れるスペシャリストです。単にテストを実行するだけでなく、システムの構造を理解した上でどこに不具合が潜みやすいかを予測し、効率的で精度の高いテスト計画を立てる役割を担います。

SESのテスターが指示通りに動くのに対し、シニアQAエンジニアはどうテストすべきかという道筋を示します。後輩育成や開発者と議論して仕様の矛盾を未然に防ぐなど、技術的なリーダーシップを発揮します。「現場の第一線で技術を磨き続けたい」「不具合を見つける職人技を極めたい」という方に最適な道で、専門性の向上と共に着実な年収アップが期待できます。

QAマネージャー

QAマネージャーは、テストチーム全体をまとめ上げ、プロジェクトを成功に導くポジションです。自分自身が手を動かしてテストをする時間は減りますが、その代わりにスケジュールの管理、予算調整、チームメンバーの配置など、組織の運営に関わる重要な仕事を任されます。

システムのリリースに間に合うよう進捗を管理したり、メンバーが働きやすい環境を整えたりすることが主な業務です。また、経営層や顧客に対して現在の品質状況を報告する責任も負います。個人の作業よりも、チームで大きな成果を出すことに喜びを感じる人や、プロジェクト全体を動かすマネジメントに興味がある人におすすめのキャリアパスです。

QAコンサルタント

QAコンサルタントは、企業の品質に関する悩みを解決するプロのアドバイザーです。特定のプロジェクトのテストを担当するのではなく、会社全体の開発ルールや品質保証の仕組みそのものを診断し、改善するのが仕事です。「バグが減らない」「リリースを早めたい」といった課題に対し、専門知識を活かして解決策を提案します。

第三者検証企業などで多くの現場を経験した後に目指すことが多く、非常に高い専門性が求められます。その分、年収レンジも高く、経営に近い視点で仕事ができるのが魅力です。客観的なデータに基づいて仕組みを整えるのが好きな人や自分の提案で組織を大きく変えていきたい人に向いています。

テスト自動化エンジニア

テスト自動化エンジニアは、これまで人間が手作業で行っていたテストを、プログラミングの力で自動で動く仕組みに変える技術者です。一度プログラムを書けば、コンピューターが24時間いつでもミスなくテストを実行してくれる環境を作り上げます。

最近のIT業界では開発スピードが非常に速いため、手作業のテストだけでは追いつきません。そのため、自動化ができるエンジニアは市場価値が非常に高く、どこへ行っても重宝されます。プログラミングに興味があるけれど、単なる開発よりも品質を守るための仕組み作りに惹かれるという人には最高の選択肢です。地道な手作業から解放され、よりクリエイティブな技術追求が可能になります。

フリーランス

QAエンジニアとして専門性を磨いた先には、フリーランスという選択肢も存在します。品質の専門家は市場価値が高く、特定の企業に縛られず高単価な案件を渡り歩くことが可能です。

リモートワークや柔軟な稼働時間を選べるのは、個人のスキルが信頼されている証でもあります。今の現場で替えのきかない実績を積み上げることが、将来の自由な働き方を実現するための確実な投資となるのです。

初のQAエンジニア転職ではお金より経験を優先する

QAエンジニアは所属する企業やポジション次第で高待遇を期待できる職種ですが、転職直後は目先の給与額よりも将来の市場価値を高めるための経験を重視すべきです。なぜなら、単なるテスト実行者は労働力として評価されるのに対し、QAエンジニアは品質の専門家として評価され、専門性が高まるほど給与の天井が引き上がるからです。

レバテックキャリアの調査によれば、実行主体のテストエンジニアの平均年収は約387万円ですが、設計や戦略を担うQAエンジニアは約481万円と、一般的なシステムエンジニア(SE)の約425万円を上回る水準にあります。このように、専門性を磨くことでIT業界の中でも優位な立ち位置を確保することが可能です。

具体的には、テスト自動化や戦略立案の経験を積めば年収500万円以上、あるいはそれ以上の高待遇も現実的になります。たとえ最初の提示額が一時的に期待を下回るものであっても、テスト上流工程の実績を作れる環境を選ぶことは、数年後の年収増を見込める極めて良い選択となります。

したがって目先の金額に固執せず、自らの専門性を磨ける環境を優先的に選ぶことが、将来的に最も効率よくかつ安定して稼ぐための最適解といえます。確かな実績を積み上げることで、単価の変動に左右されない強固なキャリアを築くことが可能です。

かいと

どんな経験を積んだら数年後に自分が有利なポジションを立てるかを基準にするのが重要です。

「QAエンジニアはやめておけ」という意見に対する私の見解

「QAエンジニアはやめておけ」という言葉の裏には、現状のテスターとしての苦労や古い業界構造による誤解が隠れています。以下の懸念点に対して、10年の現場経験を持つ視点から読者が前向きな一歩を踏み出せるような見解をまとめました。

  • 残業が多い
  • テストばかりでつまらない
  • プログラミングスキルがないと厳しい
  • エンジニアカーストの下位に見られる
かいと

QAエンジニアとテスターは一緒くたに語られがちなポジションです。

残業が多い

テスト工程で残業が増えがちになるのは、開発終盤にテストを行う体制が原因です。QAエンジニアはプロジェクトの初期段階から品質の道筋を立てて手戻りを未然に防ぎ、結果的にチーム全体の稼働を安定させる役割を担います。

品質管理を本業とする組織では、無理な納期を強行しないための管理ノウハウが確立されており、納期をコントロールする術を知っているプロの環境に身を置けば、専門性を高めつつプライベートとも両立しやすくなるでしょう。

テストばかりでつまらない

単に指示通りにボタンを叩くだけでは、確かにつまらなく感じるかもしれません。しかし、QAの醍醐味はどうすれば最も効率よく、製品の価値を証明できるかという戦略の構築にあります。

こうした知的な試行錯誤こそがこの職種の面白さであり、品質の専門家が集まる場所では、Webサービスから最先端システムまで幅広い製品に触れる機会が豊富です。多様なプロジェクトを渡り歩くことで常に新しい発見があり、品質の目利きとしての実績が積み重なった結果、単調な作業の実行者から製品を磨き上げる専門家へレベルアップします。

プログラミングスキルがないと厳しい

開発者レベルのコードが書けないと仕事が勤まらないいうことは決してありません。QAエンジニアにとって最も大切なのは、技術そのものよりもシステムが動く仕組みを論理的に整理する力です。

この本質的な考え方を身につけることがキャリアアップの第一歩となります。 未経験からプロを育てる土壌が整っている環境であれば、日々の業務を通じて必要な知識を少しずつ吸収していけます。

コードを書くことを目的にせず、あくまで品質をより良くするための道具として捉えてください。そうすることで過度な不安を感じることなく、着実なステップアップが可能になります。

エンジニアカーストの下位に見られる

作る人が上で、確認する人は下という考え方は、品質がビジネスを左右する現代ではもはや時代遅れです。現在は、開発を安全に加速させる最高のパートナーとして、QAエンジニアの存在感はかつてないほど高まっています。

品質が事業の柱である組織においては、あなたが主役として活躍できます。クライアントから専門家として頼られ、対等な立場で製品を良くするための提案を行う。そんな誇りを持って働ける環境を選ぶことで、周囲の評価や自身の市場価値は驚くほど自然に向上していくはずです。

テスターは生成AIの台頭で淘汰されかねない

生成AIの進化によりマニュアル通りのテスト実行は急速に自動化され、単なるテスターは淘汰の波にさらされています。しかし、これは専門性を高める絶好の機会と言えるでしょう。

AIに真似できない人間ならではの強みは、ユーザーの感情を汲み取った使い心地の評価や複雑なビジネス状況を背景としたリスクの優先判断、さらにはチーム内の合意形成です。こうした高度な文脈理解を伴う判断こそQAエンジニアの価値を発揮する場所であり、技術を使いこなす側から人間にしかできない品質戦略を担うことで、AI時代においても替えのきかない存在へと進化できます。

今こそQAエンジニアへの一歩を踏み出し、揺るぎないキャリアを手にしましょう。

QAエンジニア転職の8ステップ

QAエンジニアに転職するための8つのステップを解説します。まず、転職を進める際の前提を共有させてください。

転職活動を行う前提
  • 在職中に転職活動を開始すること。
    • 退職後に転職活動を開始した場合、十分な生活資金がないと途中で挫折してしまう可能性があります。
    • 最もNGなのは退職後に生活を維持できず再度SESに入社し、貴重な時間を棒に振ってしまうことです。
    • 転職先を短期間で決めようとせず、3〜6ヶ月をめどに期間を確保して臨むこと。
    • 退職後に時間をかけて転職活動を行いたいなら、約6ヶ月の生活資金は確保しておくこと。

次に転職活動の6ステップを説明します。

STEP
【転職準備1】QAエンジニアの求人情報を集める

転職市場にある求人情報を収集する段階で重要なのは単に「テスト」というキーワードで検索するのではなく、業務内容がテスト実行に留まらず、テスト設計や改善提案などのテスト上流工程に関われるかどうかを精査することです。

具体的には大手転職サイトだけでなく、エンジニア特化型のエージェントも併用し、非公開求人を含めた幅広い選択肢を確保します。求人票を確認する際は必須条件だけでなく歓迎条件にも注目してください。そこにテスト自動化やプロセス改善の経験が記載されていれば、将来的に高度なスキルを磨ける環境である可能性が高いと言えます。

求人情報だけではなく、企業の技術ブログや採用サイトを読み込み、その組織が品質保証をどう定義しているかを知ることも不可欠です。複数の情報源から自分が目指すQAエンジニア像に近い環境を丁寧に見極めることが、転職後のミスマッチを防ぎ、納得感のあるキャリアアップを実現する鍵となります。

STEP
【転職準備2】これまでの業務経歴を棚卸しする

SESテスターがQAエンジニアへの転職を目指す際、最初の重要ステップとなるのが業務経歴の棚卸しです。ここでは単にどの現場で何件のテストを実行したかという数値を並べるだけではなく、作業の裏側にある思考プロセスを言語化することが求められます。

具体的には発見した不具合を開発者に伝える際の工夫やテスト効率を向上させるために自分なりに改善した点などを抽出します。「仕様書の矛盾に気づいて事前に指摘した」「再現手順を誰でも実行できるよう整理した」といった経験は、まさにQAエンジニアに求められる素養そのものです。

この棚卸しを丁寧に行い、自身の行動を品質向上への貢献という視点で整理し直すことで、強みが明確になります。これが、選考官に響く職務経歴書の作成や、面接での説得力ある回答を生むための確かな土台となります。

STEP
【転職準備3】応募する企業の候補をリストアップする

収集した求人情報の中から応募する候補を絞り込んでリスト化します。この際、単に受かりそうかだけでなく、「QAエンジニアとしての理想のキャリアが描けるか」を軸に据えることが、最も重要な視点です。

具体的には、研修制度が充実している第三者検証企業や、開発初期から品質に関われる事業会社など、自分の志向に合わせて数社を優先順位をつけて整理します。リストアップの際は、各企業の求人票からテスト上流工程への関与度や自動化ツールの導入状況をメモしておきましょう。これが後の志望動機作成や面接対策の精度を左右します。

闇雲に応募するのではなく、自分の強みが活きる納得感のあるリストを作成することが、選考の通過率を高め、転職後のミスマッチを防ぐための最短ルートとなります。

STEP
【転職準備4】転職に必要な書類を作成する

企業に提出する履歴書や職務経歴書は、QAエンジニアとしての最初の成果物であると強く意識してください。単にテストを実行したという事実を並べるだけでは不十分です。書類を通じて、あなたの品質に対する思考の深さを証明する必要があります。

特に職務経歴書では、不具合報告時に再現手順を論理的に整理したことや、仕様の不明点を自ら確認し、チーム全体の手戻り防止に貢献したエピソードなどを具体的に盛り込みましょう。これらはテスト設計や品質改善を担うQAエンジニアにとって不可欠な素養として高く評価されます。

読みやすく正確な書類を整えること自体があなたの丁寧な仕事振りと品質への誠実さを伝える強力なアピールとなります。一貫性のあるストーリーを作り込み、募集企業の担当に「この人と会って話を聞いてみたい」と思わせる準備を整えましょう。

STEP
【転職アクション1】志望する企業に応募する

書類の準備と候補の選定が完了したら、いよいよ志望企業への応募です。この段階で大切なのは各社の求人内容を再確認し、自分のテスター経験がどのように役立つかを改めてイメージしながら丁寧かつ迅速に手続きを進めることです。

応募時は一社ごとの結果を待つのではなく、志望度の高い企業を数社並行して進めるのが効率的です。複数の選考を同時に進めることで、面接を通じて各社の社風やQAの役割を比較でき、より自分に合った環境を冷静に判断しやすくなります。

STEP
【転職アクション2】面接に臨む

面接では単にテストをこなした実績だけでなく、QAエンジニアに不可欠な品質への思考力をアピールしましょう。例えば、不具合報告時の工夫や現場で感じた改善案を具体的に語ることが重要です。

未経験の領域に対しても、テスターとして積み重ねた経験を武器にどう貢献したいか熱意を伝えることで将来性を高く評価してもらえます。

STEP
内定獲得

内定通知を受けた後は、すぐに内定承諾せずに納得できる条件か冷静に見極める時間を持ちましょう。他社の選考が並行している場合、内定先に正直に伝えて回答期限を調整してもらうのが得策です。誠実な態度は企業側からの信頼にも繋がるでしょう。

また、内定先から条件面談の場を設定されることも少なくありません。これは単なる給与交渉ではなく、期待される役割や処遇を互いに再確認する大切な場となります。自身の経験をどう活かせるか丁寧にすり合わせることで、迷いなく新しいキャリアの一歩を踏み出せるはずです。

STEP
退職手続き

内定を正式に承諾したら、直属の上司へ退職の意思を伝えましょう。SESでの働き方では自社への報告だけでなく、現場(常駐先)との調整も欠かせない工程です。自社に対して感謝を述べつつ、決意が固いことを誠実に伝えるのが円満退職の秘訣となります。強い引き止めにあうかもしれませんが、自身のキャリアプランを軸に冷静な対応を心がけてください。丁寧な引き継ぎを行い、最後までプロとして完走することが新しい門出を最高のものにするはずです。

【まとめ】SESテスターとして区切りをつけるなら今しかない!

SESテスターのままキャリアを終えることは将来的な選択肢を狭め、キャリアの詰みに直面する大きなリスクを伴います。私自身、SESで10年間を過ごして変化を後回しにしたことで多くの時間を失いました。あなたには私と同じ後悔をしてほしくありません。

IT業界の進化は速く、今の作業がいつまでも続く保証はありません。だからこそ、市場価値が高まっているQAエンジニアへ早い段階で舵を切ることが重要なのです。

未来を動かせるのは今のあなたの決断だけです。5年後、10年後の自分に「あの時動いて良かった」とポジティブに振り返れるよう、勇気を持って今すぐ行動を開始しましょう。

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この記事を書いた人

年齢: 30代
性別: 男性
職業: QAエンジニア

【経歴】
私立大学卒業後、SESへ入社しテスターとして6年半勤務。その後、別のSESにて3年半テスターとして勤務後、現職である第三者検証企業へ転職。

【保有資格】
2025/09: ソフトウェアテストに関する国際資格「JSTQB Advanced Level Test Analyst」獲得

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