テスト実行しか経験がない自分が、QAエンジニアに転職なんてできるのかと感じていませんか。
- テスト実行ばかりで、自分にアピールできるスキルがない気がする
- プログラミングもできないし、開発経験もないから不利だと思っている
- 求人を見ても、自分の経験で受かるイメージが湧かない
私もSES2社で約10年テスターをやってきましたが、転職活動を始めた当初は全く同じ不安を抱えていました。プログラミングはできず、人前で話すのも億劫でなるべく話したくない。それでも実際に転職活動をしてみると、複数のテストベンダーで書類選考を通過して面接に進み、最終的に内定を得ることができました。
正直に言うと、なぜ受かったのかを完璧に説明することはできません。ただ、テスト実行しか経験がなくても複数のテストベンダーの選考を通過できたという経験から、振り返ってこれが効いたのではないかと思える理由はあります。この記事では、その理由を私自身の選考体験とあわせて5つお伝えします。この記事を読み終えた後、自分にも可能性はあると感じてもらえるはずです。

テスト実行経験が大半でも、テストベンダーの選考を通過した実体験をお伝えします。
「テスト実行しかしてこなかった自分に無理」と思っていた


SESでテスターをしていた中で転職を考え始めた頃、私は自分がQAエンジニアになれるとは思っていませんでした。テスト実行を中心に約10年やってきただけで、胸を張れるようなスキルが何もないと感じていたからです。同じように感じている方に向けて、まず当時の私の状態をお話しします。
プログラミングもできない、人前で話すのも苦手なままだった
転職活動を始めた時点で、私はプログラミングがほとんどできませんでした。一度は開発エンジニアに憧れてオンラインのプログラミングスクールを受講したこともありましたが、明確に作りたいものがあるわけでもなく、目的もなく続けられるほどの理由も感じず、数ヶ月で挫折しています。
加えて、人前で話すのも苦手でした。人前で何かをプレゼンすることが分かっていても、準備をせずに本番に臨んで失敗するタイプで自分の考えを筋道立てて説明することに苦手意識がありました。QAエンジニアの求人を見ると「コミュニケーション能力」「論理的思考力」といった言葉が並んでいて、自分とは縁遠い世界に見えていたのが正直なところです。
テスト実行の経験しかなく、武器になりそうな専門スキルもない。そんな状態で転職市場に出ても、相手にされないのではないかと考えていました。
テストは嫌じゃないけど、テスト実行以外のこともやりたいという気持ちはあった
ただ、ひとつだけはっきりしていたことがあります。私自身、テストという仕事そのものは嫌いではなかったということです。
ソフトウェアを実際に触って不具合を見つける作業にある種の面白さや見つけた時の爽快感は確かにありました。問題だったのは仕事の内容ではなく、テスト実行だけを繰り返しであり、それ以外の工程に関われない状況のほうです。テスト計画やテスト設計といった上流の仕事にも関わった上で実際にプロダクトも触ってテストしたい。その気持ちが、年々強くなっていきました。
テストは嫌いじゃない。でも、テスト実行だけで終わりたくない。この感覚が自分がダメだから無理だと諦めかけていた私を、それでも転職活動へ向かわせた原動力でした。同じ気持ちを持っている方なら、この記事の続きはきっと役に立つはずです。



この気持ちがあるなら、QAエンジニアという選択肢を検討する価値があります。
実際に転職活動をしてみて起きたこと


ここでは、私が実際の転職活動で何を経験したのかをそのままお伝えします。テスト実行と僅かなテストケース作成経験というIT業界では低スペック寄りの人材が転職活動を行った時の結果と、当時の感情を包み隠さず伝えていきます。
志望度の高い大手企業は書類落ち
最初に正直にお伝えすると、応募したすべての企業で順調だったわけではありません。転職活動はテストベンダーを軸に進めていましたが、中でも個人的に狙っていた大手テストベンダーには、書類選考の段階で落ちました。
その時、やはりテスト実行経験ばかりの30代テスターでは通用しないのかと落ち込みました。応募先の中でも特に志望の高かった企業だったこともあり、書類で弾かれたショックは小さくありませんでした。テスト実行しか経験がない自分の市場価値はこの程度なのかと、転職活動の序盤で早くも心が折れかけたのを覚えています。
同じ経験でも、企業によって評価は大きく違った
ところが、結果は応募先によって大きく分かれました。書類で落ちた大手がある一方で、別で応募していたテストベンダー2社では面接まで進むことができたのです。
同じテストベンダーでも、テスト実行しか経験がない自分が応募しているのにある企業は書類で落とし、別の企業は面接の場を設けてくれる。この違いを目の当たりにして、テスト経験者を求めている企業は確かに存在すると実感しました。企業によって求める人物像や評価する経験が違うだけで、自分の経験そのものに価値がないわけではなかったのです。
最終的には応募したテストベンダー複数社から内定をもらえました。正直なところ自分でも意外な結果であり、特別なスキルを身につけたわけでもないのに、テスト実行経験中心の人材でも企業から評価される。私の場合は、30代かつ大したスキルもない状態での転職活動であり、同じスキルを持つ人と横並びで見たら不利な面が多いので内定0も覚悟していましたが、想像を超える結果に驚いていました。



1社で評価されなくても、別の企業では評価されることがあります。
落とされても応募の仕方を変えると、結果が変わる場合もある
もうひとつ印象的な出来事がありました。転職エージェント経由では選考に通らなかった企業に、後日自分で直接応募してみたところ面接に通してもらい、最終的にその企業から内定をいただきました。
同じ企業でも応募の経路が変わるだけで結果が変わることがある。これは転職活動をしてみて初めて知ったことでした。転職エージェント経由で一度ダメだったからといって、その企業に縁がないとは限らない。応募の仕方を変えるだけで道が開けることもあるのだと、身をもって知りました。
ちなみに、この転職エージェントで通らず自分で応募した企業で現在も働いております。
内定獲得の理由を自分なりに整理してみた【5つ】


私自身、選考の最中に手応えを感じたことは一度もありませんでした。何を聞かれてもうまく答えられている実感がないまま終わるも、運に恵まれて複数社から内定をもらえました。
私がなぜ受かったのかを完璧に説明することはできませんが、今振り返ってみてこれが影響したのではないかと思える理由を5つに整理しました。あくまで私個人の見解ですが、同じ立場の方の参考になればと思います。
理由① テスト実行だけでなく、語れる経験を少しずつ積んでいた
私が語れる経歴として、テスト実行くらいしか経験がないと思い込んでいました。しかし自分の経験を1つ1つ整理すると、それ以外の細々な経験も積んでいました。私のケースを引き合いに出すと、以下のような経験となります。
- テスト仕様書の作成
- 先輩のフォローを受けながらのテスト計画づくり
- テスト実行メンバー向けのテストデータ作成手順書
- 新しく現場に参画するメンバーや新人プロパーへの現場研修
- 顧客や開発チームを交えたテストケースのレビュー会開催
これらの経験はメインで担当したものもあれば、補助的に関わった程度のものまで大なり小なりです。
ただ、面接ではこうしたテスト実行以外に関わった経験が評価されたのかもしないです。テスト実行一辺倒ではなく、それ以外の業務にも少しは触れていたことが、この人はテスト実行しかできないわけではないという印象につながったのかもしれません。主担当でなくてよいので、テスト実行以外に関わった経験を棚卸ししておくことは、思った以上に効くと感じました。
理由② 自分の経験が評価される場所を選んで応募していた
理由①が経験の中身の話なら、こちらはどこに応募するかという戦略の話です。私は自社サービスを持つ企業のQAエンジニア枠にも応募しましたが、ことごとく書類落ちばかりでした。一方でテストベンダーへ応募した時は、すんなり書類選考が通って面接へ進めました。
同じ自分でも求められる経験が違う場所に応募すれば結果は変わります。開発経験や豊富なドメイン知識を求められる企業にテスト経験だけで挑んでも分が悪く、自分の手持ちの経験が評価される場所を選んだことで良い結果になったかもしれないです。
選考で受かった企業と落ちた企業を分けたのは、会社をネームバリューや待遇で選んだところよりも、これまでの経験を活かせる企業を選んだ点と考えています。
理由③ 学習意欲を見せるためJSTQBを取得していた
1社目のSES在籍時、同じ現場で働いていた人と一緒にJSTQB(ソフトウェアテスト技術者資格)のFoundation Levelを取得していました。
面接ではJSTQBの学習はどのように進めたかを実際に聞かれました。テスト実行経験しかない自分にとって、資格は体系的にテストを学ぶ姿勢があることを示せる数少ない武器でした。経験が足りない分を、学習で補おうとしていた。その姿勢が伝わったことは、評価につながった可能性があると思っています。
私が転職活動していた時と採用状況が同じとは限りませんし、資格があれば必ず受かるわけでもありません。ただ、テスト経験しかないという不安があるなら、JSTQBの学習はまず不利に働きません。経験の薄さを努力で補おうとした事実は、面接で語れる材料になります。



経験の薄さを補う努力は、面接で語れる材料になります。
理由④ 技術力より仕事への向き合い方を語れるようにした
面接で技術的な質問をほとんどされませんでした。テスト設計技法とか詳しく問われてもおかしくなかったのですが、聞かれたのは主に人物面の部分でした。なぜ転職したいのか、テスト業務のどこにやりがいを感じたか、これまでで一番辛かった経験をどう乗り越えたか、これまで何か改善してきたことはあるか。
つまり、高度なスキルではなくこれまでどう仕事に向き合ってきたかが見られていました。私はテスト実行の中でも、不具合の傾向を考えたり、面倒な確認作業を引き受けたりした経験をたどたどしくも自分の言葉で話しました。面接の手応えはありませんでしたが、結果として通過できたことを考えると、完璧な回答よりも自分の経験を正直に語る姿勢のほうが見られていたのかもしれません。



面接で問われたのは、高度な技術よりこれまでの仕事への向き合い方でした。
理由⑤ 結果が出るまで諦めなかった
転職活動を行う中で志望度の高い企業へ応募しても書類で落ち、エージェント経由で通らなかった企業も多々ありました。それでも応募先や応募経路を変えながら活動を続けました。
象徴的だったのがエージェント経由で落ちた企業に対して、改めて自分で応募していたところ1社内定が出ました。一度ダメだった企業でも、経路を変えれば結果が変わることがある。もし、不採用が続いてやっぱり自分には無理だと止まっていたら、内定にはたどり着けませんでした。私が志望企業へ受かった理由を挙げるなら、たいして手応えがなくても応募をやめなかったことも理由のひとつだったと思います。
SESテスターのあなたに伝えたいこと


ここまで私の転職体験をお話ししてきましたが、最後に伝えたいのは私が特別だったわけではないということです。プログラミングもできず、面接でも手応えを感じられないまま、それでもテスト経験しかない状態で複数社の選考を通過できました。だからこそ、同じ立場のあなたにも可能性は確かにあると思っています。
「自分には無理」という思い込みが一番の壁
転職活動を始める前の私を一番縛っていたのは、スキル不足そのものよりもテスト実行しかしてこなかった自分に、QAエンジニアなんて無理だという思い込みでした。
実際に動いてみると、その思い込みは事実とは違いました。書類で落ちる企業もあれば、面接に進める企業もある。テスト経験者を求めている会社は、確かに存在していました。やってみるまでは見えなかったことばかりです。動かずに「無理だ」と決めつけていたら、何も変わらないままだったと思います。



一番の壁はスキル不足ではなく、自分には無理だという思い込みです。
完璧に準備してから動く必要はない
私はIT人材ではありますがプログラミングができない上、人前で話すのも苦手なまま転職活動をしました。準備が万全だったわけではありません。それでも、テスト経験を土台にJSTQBの学習で足りない部分を補いながら動いた結果、次の環境にたどり着けました。
完璧な状態になってから動こうとすると、いつまでも動けません。今できることをやりながら、足りない部分は走りながら補う。それで十分に間に合います。大切なのは完璧さではなく、まず動いてみることです。
まずは自分の現在地を知ることから始めればいい
とはいえ、いきなり転職活動を始める必要はありません。まずはQAエンジニアとはどういう仕事かを知り、自分の経験が今どう評価されるのかを確かめるところから始めれば十分です。
QAエンジニアという仕事の全体像については、QAエンジニアとは何かを解説した記事でこちらで詳しくまとめています。転職に向けて具体的に何から準備すればいいかは、転職準備の進め方を解説した記事はこちらで順を追って説明しています。
テストは嫌いじゃない、でも実行だけで終わりたくない。その気持ちがあるなら、まず小さく一歩を踏み出すところから始めてみてください。



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